ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第271Q 「百年早い」

いつかやってみてーな

真のゾーンに到達した火神と誠凛選手たち。
火神と黒子は赤司のディフェンスを抜き、反撃に出る。

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しかし、洛山選手も赤司の能力によりゾーンに近い状態。
赤司を抜いたが、根武谷、葉山が火神の前に立ちはだかる。

真のゾーンとは、ゾーン状態の火神の動きに他の選手が合わせることで完成する。
しかしその動きは、考えていては間に合わない。
最小限のアイコンタクトと、これまで築いてきた絆の力が真のゾーンには不可欠だ。

『ゾーンに入った火神のスピードに合わせるには考えていたら間に合わない。考えるな・・直感に委ねるんだ!出来るはずだ。信じろ!オレ達の絆を!!』

木吉は火神と一瞬のアイコンタクトを交わすと、目にも止まらぬ速さで火神とのパスコンビネーションを繰り出す。
その動きに根武谷、葉山は全く対応出来ない。
一瞬で二人を抜き去ると、火神はそのままアリウープを決めた。

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驚愕する洛山高校、そして会場もその信じられない動きに沸き立った。

残り時間1:21 誠凛98-洛山103 点差は5点。

「ゾーンの速さの連携・・・なんて。まさか。そんなことが・・・」

黛と実渕は目の前で起きたことが信じられなかった。

『これがあの扉の先・・・ゾーンを超えたゾーン。・・いや、むしろこれが本来あるべきカタチ。真のゾーンなのか-----!』

自身が開くことの出来なかったゾーンの先。
それを開いた火神を、赤司は驚きの表情で火神を見ていた。

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「ちっ。やっぱ勝てねーかもしんねーなー。【オレ一人】じゃ・・・」

会場で見ていた青峰がつぶやく。

「・・・うん。そーだね。・・・大ちゃん」

桃井が青峰の心中を察したかのように返事をした。

「見ててワクワクする。帝光の強さは相手の心を折る冷酷な強さだった。バスケやめちまった奴もいたし、オレもすぐには立ち直れなかった。誠凛は強いけど・・・勝っても負けてももっともっとバスケが好きになる。いつかやってみてーな、アイツらと。」

声援を送った荻原が、立ち直った誠凛の姿を見つめていた。

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百年早い

「ディフェンス絶対止めんぞ!!」

日向が誠凛の選手を鼓舞する。

日向の相手は実渕。
4ファウルの日向はファウルをすれば即退場となってしまう。
実渕の【天】【地】【虚空】の3ポイントシュートに対応するには、細心の注意が必要だ。

『集中しろ!重心の変化を見落とすな!!ここで退場なんてしたら全部パァだぞ!!』

日向は実渕を前に、ここ一番の集中力を見せる。

実渕がシュート体勢に入る。
【天】のシュートと判断した日向がブロックに飛ぶ。
しかし、それはフェイクだった。

実渕はドリブルで日向をかわすと、すかさずジャンプシュートの体制に入った。

「パスだ実渕!!そこは罠だ!!」

赤司の声と同時に、実渕の頭上には火神のブロックが迫っていた。

すかさず根武谷にパスを出す実渕。

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だがそこには擬似エンペラーアイで先を読んだ黒子が待っていた。
実渕から根武谷へのパスは黒子によってカットされ、誠凛の反撃が始まる。

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火神を起点に凄まじい速さの連携を見せる誠凛。

「日向だ黛!!」

エンペラーアイを持つ赤司だけが唯一その動きの先を読むことが出来るが、洛山の他の選手は対応しきれない。

パスが日向にわたると、すかさずシュートを撃つ。
しかしギリギリのところで、黛にブロックされてしまった。

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すさまじい攻防を見せる両チーム。

「・・・だが押しているのは誠凛だ・・・。赤司がエンペラーアイでサポートしているが、それでも誠凛の連携速度がわずかに上回っている。」

緑間が攻防を冷静に分析する。

誠凛がもう一度洛山の攻撃を防ぐことが出来れば、次は得点できる可能性がある。
そうなれば3点差。
射程圏内になる。

「止めれば勝利が見える!!ふりしぼれ!最後の一滴まで!」

日向が全員に激を飛ばす。

必死のディフェンスを見せる誠凛。
しかし、そこに立ちはだかるのはやはり赤司だった。

自らボールを持つと、ディフェンスに入った火神をアンクルブレイクで転ばせる。
そして、シュートを放った。

「勝つのは・・・オレだ。王を討つなど百年早い!」

赤司の放ったシュートはゴールへと吸い込まれた。

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残り41秒 誠凛98-洛山105 

あまりにも重い失点だった。

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