勝利のために
全中二連覇のかかった決勝戦。
主将である赤司を始めとするキセキの世代は、試合を前にそれぞれのやるべきことを確認する。
「バラバラの個性が咬み合ってこそのチーム。共有すべきはただひとつ」
と赤司は全員の目標を確認する。
全員が思うことはバラバラであっても目標は「勝つこと」ひとつだけ。
しかし黒子は浮かない顔で試合に臨んでいた。
試合前のミーティング。
監督は黒子と青峰を除く全員に告げる。
「青峰や黒子には何もするな。励ましやなぐさめは逆効果だ」
監督の言葉を信じつつも、心配する虹村。
しかし、その心配をよそに青峰のプレイはますますキレを増す。
誤算
対する鎌田西高校には、双子のプレイヤーがいた。
双子という珍しい組み合わせにも関わらず、桃井のデータにも記録が無い。
試合は帝光ペースで進むかと思われたが、この双子にペースを乱される。
双子が得意としたのは、ファウルをもらうプレイ。
あたってもいないのにファウルを取られた黄瀬は審判に抗議をし、テクニカルファウルを取られ3ファウルとなってしまう。
黄瀬をベンチに下げたものの、ファウルトラブルを恐れ、必要以上に慎重なプレイを強いられる帝光。
前半終了の時点で、鎌田31-帝光26。まさかの5点ビハインド。
さらに、青峰は4ファウルとなってしまう。
監督の白金は、ハーフタイム中に青峰だけを呼び止める。
一方黒子は、風に当たりたい、とチームから離れてしまう。
しかし赤司は、この試合は黒子の力が必要になる、と感じていた。
白金の想い
「話ってなんですか?」
青峰は白金に尋ねる。
「青峰、私はお前に謝らなければならん」
青峰の才能を見抜いていた白金は、才能が開花すればいまのような状況になることも予想していた。
しかし、何も言えなかった。
「お前の気持ちより、才能が開花する先を見たかった」
と白金は語る。
多くのプレイヤーは力が足りないことを悩みはするが、力があり過ぎで悩むことは少ない。
そして、それを解決出来る指導者はいない。
「選手を上達させることは出来るが、下手にすることは出来ない」
それを見過ごしてきたのは自分が悪いと語る白金。
それでもなお、
「才能を無駄にしないで欲しい。悩みはすぐに解決出来る事ではないが、諦めたら何も残らない。」
諭された青峰は、
「今さら元には戻れねぇ。それでも、まだ勝ちたい気持ちは残ってる」
と後半に臨む。
決意
一方の黒子は荻原シゲヒロからの電話を受けていた。
「今年は約束を守れなくてごめん!来年!必ずやろう!」
それを聞いて、決意を新たにする黒子。
「監督、後半はボクにいかせてもらえませんか?」
白金は、黒子を後半のスターターとする。
そして、4ファウルの青峰にも、後半開始から攻める、と指示をする。
黒子と青峰のコンビは決意の決勝戦後半へ臨む。