ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第229Q 「行ってきます」

決勝の朝

黒子の話を聞いた翌日。
ついにウインターカップ決勝を迎えた。

最終決戦を前にした昼下がり、リコは日向の元を訪れていた。

日向の手が器用に動く。
リコの髪は綺麗にショートカットになった。

「こんなもんでどーっすかお客さん」

鏡越しのリコに日向が尋ねる。

リコは満足そうに鏡に映る自分を見て言った。

「・・・・うんバッチリ!ありがとう」

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リコが髪を伸ばしていたのは、ウインターカップへの願掛けだった。
決勝に進んだ今、もう願掛けの必要は無い。

「勝とうね!がんばれキャプテン!」

それぞれの昼下がり

木吉は伊月の家で昼食を食べていた。

違和感なく食事をする木吉を前に、伊月が尋ねる。

「いや・・なんで木吉、ウチで一緒に飯食ってんの?」

「いやぁ・・体ほぐすために軽く走ってたら伊月のお母さんにバッタリ会ってな」

食事が終わり、伊月と言葉を交わす木吉。
伊月は木吉に問う。

「応援には誰も来ないのか?」

木吉が答える。

「年だし、応援にくるのはちょっとしんどいかな」

伊月とともに、優勝への決意を新たにする木吉。

「家に帰って話すなら、勝った報告じゃないとな」

他の誠凛のメンバーもそれぞれに、決勝への想いを、勝利への想いを新たにしていた。


タイガとタツヤ

火神は氷室と再会していた。

「わざわざ悪いな・・・タツヤ。決勝の前にどうしてもケリを付けておきたくて」

神妙な面持ちで氷室と向かい合う火神。
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「その話はもういい。謝るのはオレの方だ。今まですまなかった、タイガ」

火神は以前と同じように氷室と接することを望んでいた。
氷室もまた、敵として、兄弟として、火神と接することを望んでいた。

氷室は火神と対戦した夜、アレックスと話していた。
言われなくても、自分が悪いとわかっていた。と話す氷室。

「オレのワガママのせいでタイガを苦しめた。すまなかった。」

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火神の肩に手をかけ、氷室は火神に想いを伝える。

「Let me see you become the No.1 player. Bro(No.1になって来い兄弟)」

「・・・・・’Course!(おう!)」

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バスケットやっていて良かった。

黒子は一人、体育館に居た。
誠凛に入学してからこれまでのことを思い出していた。

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「バスケットをやっていてボクは本当に良かった」

バスケットゴールを前に一人つぶやく黒子。
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「今夜、その気持ちをすべてぶつけます。赤司君」

そして、黒子は体育館をあとに、決勝の舞台に向かう。

「行ってきます」

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