ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第211Q 「じゃーな」

赤司キャプテン

主将の虹村は、コーチの真田に自分ではなく赤司を主将として欲しい、と願い出た。
しかし真田は、スタメンを外れたとしても主将を変えることは出来ない、帝光の主将の名は軽くない、と虹村の願いを退ける。

真田も赤司の主将としての資質は問題無いと感じているが、急いで赤司にゆずろうとする理由がわからずにいた。

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虹村は少し考えてから真田に言った。

「父が去年の春から入院しています。これまではバスケを優先にしていましたが、父に何かあれば試合を放り出して病院に向かいます。今まで言いそびれてました」

真田は話を飲み込み、落ち着いた口調で虹村に言った。

「・・・・わかった。監督にも伝えておこう」

部屋を出ると、赤司と遭遇した。
赤司は、最後の方だけ話が聞こえた、と虹村に言った。

虹村は、少し気が早いが赤司に主将を任せると話す。
赤司はまだ決まっていないことだと反論するが、いまの話を聞いてまだ主将をやらせる気か、と虹村は突っぱねた。

その場を去りながら、虹村は赤司に言った。

「よろしく頼むぜ。赤司キャプテン」

「・・・・はい」

赤司は静かに返事をした。

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認められた実力

黒子と黄瀬は二軍の試合に同行することとなった。
桃井も、マネージャーとして帯同する。

これまで桃井は黒子の試合を見たことが無く、実際にどんな選手かは知らない状態であった。
また、黄瀬も黒子の試合の様子は知らないため、いまだに黒子を見下していた。

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そして試合当日。
黄瀬と桃井は驚嘆の表情で黒子のプレイを見ていた。
試合は当然、帝光の勝利で終わった。

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試合翌日。

「青峰っち黒子っち!!帰りにアイスでも食ってかねーっスか?」

満面の笑みで二人と話す黄瀬がいた。
変わり身の早さに驚く青峰だったが、尊敬する人には敬意を払う、と黄瀬は楽しげに言った。

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そして桃井も黒子の活躍に驚き、そのギャップに恋愛感情を抱くようになった。

赤司と緑間は廊下を歩きながら話をしていた。

「黒子と黄瀬の同伴は思った通りの結果となったな」

と緑間が赤司に言った。

これで全員が黒子の実力を認めるところなり、全ては赤司の思惑通りだった。

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退部勧告

しかし・・・。
緑間は灰崎のことを懸念していた。
不真面目な態度が気に入らないが、実力はあるため、灰崎がスタメンとなり、黄瀬はその控えになるのではないか、というのが緑間の考えだった。

それに対して赤司は

「・・・いや、少し違うな。スタメンは黄瀬になる。そして虹村さんが控えにコンバートされる。そうなればSF(スモールフォワード)は最も層が厚いポジションとなる」

灰崎の素行の悪さには、赤司もよく思っていなかった。
これ以上は部にとってデメリットしかない、と赤司は考えていた。

赤司は冷たい表情で緑間に言った。

「もう用済みだ。退部を勧めよう」

その表情に寒気を覚える緑間。
時々見せる別人の様な目は、緑間には別の人格があるようにしか思えなかった。

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じゃーな

灰崎の退部を聞き、驚く面々。黒子は灰崎の元へと走った。
焼却炉前で、自らのバッシュを捨てようとしている灰崎に、どうしてやめてしまうか?と黒子が問う。

灰崎は黒子に、大して仲良くもなかったのに止めに来たのか?と鼻でせせら笑った。
灰崎の本心を聞こうとする黒子。

しかし灰崎は黒子をバカにしたように

「ホントバカだなお前。実はオレが根がマジメだとでも思ってんのか?」

と、バッシュを焼却炉に投げ入れた。

そして燃えるバッシュを見ながら黒子に言った。

「本当に悪い奴や、恐えぇ奴だっているんだぜ。」

灰崎は、その場を去りながら最後に言い放った。

「じゃーな。残ったお前らの方が、かわいそうな目にあわねーとは限らねーんだぜ」

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