ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第259Q 「絶対止めてやる」

望むところだ

実渕のスリーポイントを止めた日向。
自分のシュートを止められたことで、実渕は闘争心にさらに火がついた。

「・・・やってくれたわね順平ちゃん。マジで潰すわ!」

「望むところだ!そんでちゃん付けで下の名前呼ぶな!」

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一方で木吉とのリバウンド勝負に負けた根武谷は怒りを露わにしていた。
そこに葉山が言葉を掛ける。

「落ち着けよ永ちゃん。あんまり頭に血が登ると足すくわれんぞ。オレと同じでカッとなりやすいんだから気をつけろよ。木吉は強ぇー。そもそもケガがなけりゃ少し前までオレらとどうか下った奴だぞ。間違ってもナメんなよ。」

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五将のそれぞれが勝負で完全に勝っているとは言えないが、それに対して赤司は何も言わなかった。
黛は不思議に思っていた。
なぜ赤司は何も言わないのか。
攻撃も1on1偏重で、司令塔とは言え攻めにも消極的すぎる。

これが何かの策なのか?

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しかし、それは違った。
今の赤司はそうせざるを得なかった。

火神の存在が、赤司に攻めることを許さなかったのだ。

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そして再び、実渕と日向の1on1勝負となる。

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絶対止めてやる

実渕は日向を前に考えていた。

『日向順平・・・コイツは危険だわ。アタシのシュートを見分けて反応してくる。ならばその中でもたとえわかっていても止められない・・【虚空】で勝負。したいところだけど、虚空に対しても何か掴んでいるかもしれない。スリー以外で勝負か、ボールを回すか・・・。いいえ、だからこそ勝負!!』

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実渕はシューターとして、天と地、両方のシュートに自信と自負があった。
しかし、それ以上に虚空に対する自信は別格のものであった。

そして、洛山の選手としても勝負から逃げるわけにはいかなかった。
実渕はプライドの全てをかけて【虚空】を撃つことに決めた。

対する日向も考えていた。

『背中いって・・・まだジンジンする。リコあいつあんな力強かったかね。きっとそんだけこめたんだろう。あいつだけじゃなくチーム全員分の想いを。おかげで背中が熱くてしょーがねー。この熱さを全て力に換えて虚空を止める!!』

第4クォーター開始直前、リコに気合を入れてもらうために叩いてもらった背中が熱くなっていた。

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そして勝負の瞬間。

実渕が虚空を撃つためにシュート体勢に入る。
日向もそれに合わせて沈み込む。

そして実渕が虚空を撃つ!

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虚空を前にディフェンスが動けなくなる理由。
それは、虚空を撃つ前に沈み込む深さに秘密があった。

虚空は通常よりも深く沈み込む。
そして跳ぶ時、ディフェンスのヒザが伸びきった時、一瞬動きを止める。
その一瞬に釣られたディフェンスは、沈んだ分のパワーが全て逃げてしまうため、跳ぶ余力がなくなる。

だが、実渕は深く沈んだ分余力が残る。
その残った力で、高効率のフォームを活かしシュートを撃つ。
これが虚空の正体だった。

しかし、日向がこれに気づいたとしても、動きを止めずに先に跳べば実渕はシュートを中止出来る。
さらに、実渕のように深く沈んでもわずかな余力で跳ばなくてはならない。

日向にとって、実渕のシュートをブロックするのは相当に難しいことなのだ。

「五将だろーが洛山だろーが知んねーよ!どれだけお前が強くてもこのシュートだけは絶対止めてやる!!」

実渕の虚空は、宙空へ飛ぶこと無く日向にブロックされた!

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復活の狼煙(のろし)

すぐさま誠凛の反撃!
しかし洛山ディフェンスもすぐに戻る。

ここで黒子がパスを一閃。
日向が復帰したことで、シュートへの警戒からディフェンスが広がり、中にスペースが出来た。
そのスペースを使い、黒子がパスを繰り出す。

日向の復帰が、黒子のパスをも復活させたのだ。

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黒子のパスは木吉に渡る。
木吉はそのままダンクへ行くが、その前に根武谷が立ちはだかる。

黒子の閃光の如きパスに反応する根武谷。
木吉のシュートコースは完全に塞がれた。

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しかし、木吉はニッと笑って、パスを出す。
アウトサイドには日向が待っていた。

日向の放ったスリーポイントは音も無くリングをくぐり抜けた。

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