ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第251Q 「まだ必要だ」

光と影の力

黒子からパスを受けた木吉は、力強くダンクを決めた。
会場も大いに沸き立つ。

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しかし、観客にはいつの間にパスが通ったのかわからなかった。
それは、黒子の影の薄さが戻った証拠だった。

スコアは、誠凛52-71洛山。19点差にまで縮まった。

ディフェンスでは火神が赤司を抑え、オフェンスで黒子がパスを通し点を取る。
まだ点差はあるが、光と影の力で希望をつないでいた。

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タイムアウト

誠凛が得点を入れたところで洛山がタイムアウトを取った。
まだ点差は19点あるが、誠凛の勢いを放っておくわけにはいかなかったからだ。

会場で見ていたかつての対戦相手、そして洛山の選手達は、当然黛が交代するものと思っていた。
黒子の特性を取り戻させてしまった黛の罪は重い。

洛山チームメイトの根武谷、実渕、葉山の3名も交代は当然だと考えていた。
上書きにより特性は失われ、パスはもう使うことが出来ない。
1on1で勝てる選手なら控えにもいるからだ。

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一方、誠凛高校はわずかな休憩時間を使い、回復に専念する。
エネルギー補給、アイシング、マッサージ。
そして、木吉のテーピング。

監督のリコは手早く指示を出す。

そんな中、日向は一人落ち込んでいた。

「・・・すまねぇ。これからって時に・・・オレはあん時の大ポカのせいでっ・・・」

それを聞いた木吉は日向に答えた。

「思いつめすぎだ。ダァホ」

そのセリフは、かつて日向が木吉に言った言葉だった。
そして木吉は言葉を続けた。

「仲間を信じろよ日向も。必ずまた日向のスリーが必要になる。頼むぜキャプテン・・・!」

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まだ必要だ

タイムアウトが終了し、両チームがコートに戻る。
しかし、誰もがその光景に驚く。
黛千尋が再びコートに戻ってきたからだ。

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黛の特性はすでに失われている。
いまの黛は、洛山の中ではただの平凡な選手に過ぎない。
それなのになぜ、黛を出し続けるのか。

黛を出し続けるということは、黒子の影の薄さを際立たせることになる。
少なくとも、1on1で勝てるからと言って出しておくメリットは無いはずだ。

タイムアウト中、赤司は黛にこう告げていた。

「玲央達の言う通り、さきほどまでのプレーは失態だ。下げるのが当然の選択だろう。」

そして、微笑みを浮かべながら続けた。

「だがお前の力はまだ必要だ。下げたりするものか。洛山の勝利のために、期待しているよ」

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消えるボール

洛山の攻撃は、再び赤司を起点に開始された。
しかし、赤司には火神が超広域ディフェンスで対応する。
攻めあぐねる赤司。

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黛が、パスの中継としてボールをもらおうと動く。

赤司は黛に視線を向けた。
次の瞬間、火神はボールを見失うのだった。

ボールを受けに行った黛も驚きを見せた。

火神は何が起こったのかすぐに把握出来なかった。

「ボールが消え----」

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ボールは、黛とは逆サイドの実渕へと飛んでいた。
実渕がすかさずスリーポイントを決める。

道具

伊月が黒子にミスディレクションオーバーフローの可能性を尋ねた。
しかし黒子はそれを否定する。

「黛さんは何もしていません。黛さんは今、上書きによって特性が反転して、視線を集めやすくなっている。そこに赤司君が火神君の視線を誘導したんです」

観客席で見ていた紫原がつぶやく。

「可能性とかやる気とか、赤ちんがそんなフワフワしたもん信じると思う?いまさらあの人に何も期待とかしてないよ。一方的に利用してるだけだね。パスを通す道具として」

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