ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第257Q 「行くぜ洛山!!」

第3Q終了―誠凛

第3Q(クォーター)を終了し、二分の休憩となった。
点差は20点差。
残すは第4Qの10分間のみ。

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第3Qで誠凛は怒涛の追い上げを見せたかに思えたが、点差は意外にもそれほど縮まっていない。
観客も、誠凛の選手たちもそう感じていた。

善戦はしているが点差は縮まらず、力の差を思い知らされるが、誠凛は諦めていない。

「日向・・・出るのか!?」

伊月が、ベンチに座り靴紐を結び直す日向に聞いた。

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「ああ。4ファウルで残り10分。リスクは百も承知だ。それでも今度こそ・・実渕はオレが倒す!!」

日向が力強く答えた。

その言葉を聞き、横から小金井が日向に声をかける。

「ワリィ日向・・・オレの力不足で・・・」

「何言ってんだよ。逆だぜ。コガのおかけでオレも戦えんだ。コガのぶんまでギャフンと言わせてきてやるよ!」

日向が笑みを浮かべながら小金井に答えた。

「おう任せた!たのむよ日向!」

小金井は明るい声で日向を送り出した。

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ポカリを飲みながら、小金井は一人思っていた。

『やったぜオレ!五将を倒したりはさすがにムリだったけど・・チームの役には立ったんだ!オレがもっと早くバスケを始めてたら、もっとやれたかな・・?チームのために戦えたことは嬉しい。だからこそもっと、オレはコートに立ってたかった』

涙を浮かべる小金井の顔を隠すように、水戸部がタオルを被せた。

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第3Q終了―洛山

「あと10分だ。慌てることはない。このままいけばいい。」

監督の白金が、選手を集めて指示を出す。
そしてさらに続けて言った。

「ただし間違えるな。このままとはあくまで、攻めるということだ。今の点差を守ろうと思うな。最後までせめて誠凛を叩き潰してこい!!」

第4Qを前に、気合を入れる洛山高校メンバー。
赤司がそれぞれに声をかける。

「玲央。向こうは日向が出てくるようだ・・・が、4ファウルでも決して油断するな。」
「永吉。木吉の眼はまだ死んでいない。玲央同様気をひきしめろ」
「小太郎。いつまでおとなしくしているつもりだ。まだ点をとってもらうぞ」

そしてコートに出て行く赤司。
黛にだけは声を掛けることはなかった。

その様子を見て黛は思った。

「そんでオレもこのまま出ろってかい。使える間は出がらしになるまで使うなんて、ずいぶんと倹約家じゃねーの、おぼっちゃん」

コートに出ると、赤司が静かに気合を入れる。

「勝つのは洛山。絶対は、僕だ」

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第4Q開始

インターバルが終了し、誠凛は小金井と日向が交代となった。

日向が気合を入れてコートへ出て行く。

「よぉし行くぞ!!」

「いやー、やっぱキャプテンがいるとしまるねっ。このまま声出しも頼むよ!」

小金井が楽しそうにその後姿を見て言った。
日向は茶化すなと反応したが、黒子もそれに反応した。

「泣いても笑っても、最後の10分です。ぜひお願いします」

黒子が日向を真っ直ぐに見ながら言った。

「改めて言うな!逆にやりづらくなんだろうが!」

日向はバツの悪そうな顔で答えたが、全員を集める。

全員で円陣を組み、気合いを入れる誠凛。

「絶対勝つぞォ!!誠凛----------ファイ!!」

「オオォ!!!」

日向の気合のこもった声に、誠凛が全員で呼応する。

ついに両者が、ウィンターカップ決勝、最後の10分の舞台に出揃った。

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「・・・火神君」

黒子が火神に声を掛ける。その表情には覚悟を決めた凄みがあった。

その顔を見て火神が答える。

「まかせとけ!・・・と言いてーが正直ヤベーな。赤司の言う通り、時間の問題だ。だからって、赤司相手にゆるめるゆとりはもっとねぇ。とにかくいけるとこまでいってやるさ!」

火神も覚悟を決めた。

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行くぜ洛山!!

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第4Q開始早々、黒子のイグナイト(加速する)パスが炸裂。
ボールは日向の手にわたった。

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そのままスリーポイントシュートの姿勢に入る日向だが、実渕がすかさずチェックに入る。
しかし、実渕の素早いチェックも間に合わないほど、日向のほうが速かった。

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そのままスリーポイントシュートを放つ日向。
実渕のブロックは空を切った。

その速さに驚く実渕。

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そしてボールはそのままゴールへと吸い込まれた。
「っし!行くぜ洛山!!」

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