決勝開戦
ついに試合が開始された。
最初のジャンプボール、火神は木吉に願い出る。
「ジャンプボールオレに跳ばせてもらえないすか」
高さはお前の方が上だが、オレのほうがタイミング合うだろう?
どうかしたのか?と木吉は尋ねたが、ただならぬ火神の決意に、ジャンプボールを任せる。
「・・・わかった。じゃあ頼むぜ!」
火神がジャンプボールをすることに、ベンチは少しざわつくが、リコは選手の判断に任せる、とした。
一方、チームメイトの日向、観戦に来ていた紫原は、火神がベストコンディションであろうことを見抜いていた。
それぞれの思いが交錯する中、ついに、決勝戦が開始(ティップオフ)された。
先制点の行方は
ジャンプボールを制した火神。
誠凛ボールで先制点のチャンスとなる。
気合を入れ過ぎた黒子は、イグナイトパス廻を日向に向かって打つ。
イグナイトパス廻を日向は弾いたが、ボールを拾いレイアップシュートを放つ。
しかし、シュートは実渕にブロックされ、洛山が反撃に出る。
赤司からのパスは根武谷に渡り、そのままダンクシュートを決めにいく。
しかし、今度は火神がこれを止める。
湧き上がる気持ちを乗せて
ブロックの直後、火神はすでに速攻の先頭に居た。対するは赤司。
火神は思いを巡らせていた。
『黒子の話を聞いてから考えていた。オレがもしあいつの立場だったら・・どうしただろう。』
『結局答えは出なくて、モヤモヤして、このモヤモヤをぶっ飛ばしてーと思った。』
赤司を前にゴールから遥か遠い位置で踏み切る火神。
『だから跳ぶんだ。湧き上がるこの気持を乗せて。勝ちてぇ!!黒子と・・・みんなと・・・!!』
赤司の頭上からボールがゴールを突き抜ける。
エンペラーアイが発動するよりも先に、火神の流星のダンク(メテオジャム)が炸裂した。
仲間の為に戦う意志
騒然とする会場、そしてチームメイト。
メテオジャムが使えるのは、ゾーン状態の時だけのはず。
しかし、ゾーンに入るには理想的な精神状態と100%の集中が必要だった。
数日前、火神は青峰に、ゾーンについて教えられた。
「ゾーンに入るには人それぞれ異なる引き金(トリガー)がある」
知ったからといって引けるものではない、しかも、プレイに100%集中し、理想的な精神状態でそのトリガーを引かねば、意味が無い。と青峰は教える。
青峰は続けて言った。