キセキの世代
基本的なスキルはまだ劣るものの、一軍の練習にもついていけるようになった黒子。
虹村はその様子をみて考えていた。
『黒子のせいでモメたりもするが・・逆に言えば前よりみんな話すようになった。おもしれーチームにはなりそーだ』
黒子達は2年の春を迎えた。
キセキの世代のメンバーは2年になった一段を凄みを増した。
キセキの世代という呼び名がピッタリ合う程にその実力は抜きん出ていた。
黒子はまだユニフォームをもらえていなかったが、その実力は他のチームメイトも認めるところであった。
レギュラー入り
ある日のミーティングでコーチの真田は黒子に告げた。
「黒子テツヤ、正式にベンチ入りしてもらう。背番号は15」
帝光中学校バスケットボール部、レギュラー入りが確定したのだった。
そして、コーチの真田は続けて今後の方針を伝えた。
「今後は赤司達、現2年生を中心に使っていく」
それは、主力メンバーが3年から2年に移ったことを示す内容だった。
わかってたこった
虹村はチームメイトと話す。
「わかってたこった、驚きゃしねえよ。遅かれ早かれこうなることは覚悟していた。その日が今日だっただけの話さ」
帰り道、黒子は喜びを噛みしめていた。
シックスマンとして今後の働きに期待されたこと、ついにユニフォームをもらえたこと。
一人、ガッツポーズをする黒子だった。
黄瀬涼太
ある日、一軍に新しく入ってくる選手がいることを桃井に告げられた黒子。
バスケ部に入部して二週間のため、黒子に教育係について欲しい、ということだった。
彼の名前は黄瀬涼太。
その日の練習前。黄瀬はすでに姿を見せていた。
黒子と青峰が体育館につくと、黄瀬は笑顔を見せた。
「あ、来た!待ってたんスよー。なんせあんたと一緒にやりたくて入ったんスからね。青峰っち!」
その呼び方に戸惑いながら返事をする青峰。
「っち!?ま、よろしくな黄瀬クン!」
そして黒子を教育係として紹介するものの、黄瀬には黒子がレギュラーであることも信じられず、納得がいかない様子だった。
一軍の練習で、才能の片鱗を見せる黄瀬。
とてもバスケを始めて2週間とは思えない、と緑間を感心させるほどであった。
練習後、黄瀬に用具の片付け方法を教えようとする黒子。
しかし黄瀬は教育係を変えて欲しいと言う。
練習中、黒子にスゴイと思えるところが無く、黒子は自分より格下だと思っている黄瀬。
傍らで見ていた赤司は、何か対策を考えると緑間と話していた。
一方、キャプテンの虹村は真田コーチの元を訪れていた。
虹村は、真田に告げた。