ストーリーダイジェスト

黒子のバスケストーリーダイジェスト 第254Q 「敵わない」

伊月の策

葉山のライトニングドリブルを前に、正面から止めることが出来ない伊月。
頼みのイーグルスピアでも、ボールを奪うことは出来なかった。

そして、再び伊月は葉山に抜かれてしまう。
しかし伊月は葉山を止めるための策を講じていた。

葉山が伊月をかわしたその先には、黒子が待ち構える。
黒子は、葉山を観察するうちに気づいたことがあった。

『何度も抜かれてわかったことがある。葉山のドリブルはとてつもなく速いが、そこから切り返そうとすると一瞬の硬直がある。』

黒子はその切り返しの瞬間を狙っていた。

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しかし葉山もそれを読んでいた。

「ん----にゃ。そんなこったろーと思ったよ」

不敵な笑みとともに、黒子を華麗にかわす葉山。

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しかしここで伊月が仕掛ける。
黒子を抜いた瞬間の葉山めがけてイーグルスピアを繰り出した!

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さすがの葉山もこれは読んでいなかった。
ボールを両手でキープするのが精一杯だった。

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ボールを奪えなかった伊月は悟る。

『だめだ・・・!!やはりオレじゃコイツを止められない・・・!!』

先の先まで読んでいた伊月より、葉山の野生と反射神経が上回った。

葉山の勝ち。

誠凛のメンバーも、会場も誰もがそう思っていた。
そして葉山がシュート体勢に入った。

伊月が葉山を視線を向けてつぶやいた。

「・・・・けど、いいのか?そこ、猛獣危険の立入禁止区域内だが・・・・」

葉山が伊月を抜き、そして切り返して黒子を抜き、最後に伊月のイーグルスピアをかわして止まったそこは、ゾーンに入った火神の超広域ディフェンスの範囲だった。

シュート体勢に入った葉山に、火神が襲いかかる!
ついに葉山のシュートは止められ、洛山の攻撃を止めることに成功したのだった。

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伊月の読み

すかさず、黒子が前方の小金井にパスを出し、速攻で攻め上がる!

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しかし、小金井の後ろには実渕が迫っていた。

「コガ!!パス!左後ろ!!」

フォローに走っていた伊月が小金井からパスを受ける。
そのままシュートに行けば、間違いなく実渕に止められていたところだった。

パスを受けた伊月がレイアップシュートの体勢に入る。
しかし、背後には葉山がシュートブロックに飛んでいた。
このままでは間違いなく、葉山にブロックされてしまう。

しかし、伊月はそれすらも読んでいた。

シュート体勢からノールックパスで後ろにボールを出す。
そこには、火神が走りこんでいた!

空中でボールを受け取り、そのままアリウープを決める火神。
洛山の攻撃を止め、さらに誠凛が得点を決めたことで、点差が縮まった。

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沸き立つ誠凛ベンチ。
葉山は、伊月の先読みの能力に驚きを隠せなかった。

『ディフェンスだけじゃない・・オフェンスも・・。コイツ、イーグルアイで状況把握して何手先まで読んでプレイしてんだよ?!』

敵わない

伊月は葉山の心中を見透かしたかの様に、葉山に向かって言った。

「いくら精神的にゆとりが出来たからって、実力差がひっくり返ったりはしないさ。オレはお前に敵わない。けど、それと止められるかどうかは別の話だ。お前がオレより賢くなくてよかったよ」

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この言葉に葉山は冷静さを失う。

『こ・の・や・ろ・う~~~~~~。一度止めたくらいでいい気になってんじゃねぇぞ・・!!」』

葉山のスローインから洛山の攻撃は始まるが、ボールを出す先は、誠凛の必死のディフェンスによって全て塞がれていた。

そして、唯一見つけた先は黛千尋だった。

冷静さを失った葉山は黛にパスを出す。
黛は、一見フリーに見えたからだ。
しかし、葉山は忘れていた。黛のマークが誰なのか。

『何オレにパスとかしてんだバカ・・・!安い挑発に乗るなよ。オレのマーク誰だか忘れたのか!!』

黛は、自分にパスを出してきた葉山を見ながら思っていた。

そしてその直後、黛のパスは黒子にカットされるのだった。

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すかさず火神のシュートで得点を重ねる誠凛。
点差をさらに縮めることに成功する。

王者の背中が見えてきた・・・!!

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