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黒子のバスケストーリーダイジェスト 第1Q 「黒子はボクです」

公開日: : 最終更新日:2014/01/27 ストーリーダイジェスト

プロローグ

帝光中学校バスケットボール部。
部員数は100を超え全中3連覇を誇る超強豪校。

その輝かしい歴史の中でも特に「最強」と呼ばれ無敗を誇った—10年に一人の天才が5人同時にいた世代は「キセキの世代」と言われている。

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—が、「キセキの世代」には奇妙な噂があった。

誰も知らない、試合記録も無い、にも関わらず天才5人がいち目置いていた選手がもう一人—

幻のシックスマンがいた—-と。

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火神大我

誠凛高校は入学式を迎えていた。
一人でも多くの新入生を獲得すべく、各部活動の勧誘活動が盛り上がっていた。

勧誘が多すぎてろくに前に進むことも出来ないなか、一人全く勧誘を受けずに歩いて行く生徒が一人。

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男子バスケ部の受付には相田リコが座っていた。
10人目入部受付を済ませたところで一息ついていたが目の前に一人の男が現れた。

「バスケ部ってここか?」

火神大我だった。

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火神を目の前にしたリコは入部の説明を始める。

「誠凛は去年出来たばっかの新設校なの。上級生はまだ二年だけだからキミみたいに体格よければすぐに・・・」

そこに火神が口を挟む。

「そーゆーのいいよ。紙くれ。名前書いたら帰る」

入部届を見たリコは火神がアメリカ仕込みであることを知る。

『火神大我君・・・・か。どっちにしろタダ者じゃなさそーね。』

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しかし火神の入部届には、志望動機が無かった。リコはそれを尋ねる。

「あれ?志望動機は無し・・・・?」

「別にねーよ。どーせ日本のバスケなんてどこも一緒だろ」

火神は冷めた目を見せて、その場を去った。

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火神が去った後、机に別の入部届を見つける。

「黒子・・・テツヤ・・・」

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ずっと受付をしていたのに、全く記憶に無いリコ。
入部届の出身中学校には、帝光中バスケ部と記入があった。

「帝光バスケ部出身!?しかも今年一年ってことはキセキの世代の!?うわーなんでそんな金の卵の顔忘れたんだ私!!」

黒子はボクです

新入生が揃った部活初日。
リコの姿を見た新入生は可愛いマネージャーだとささやいていた。
しかし、相田リコはマネージャーではない。

「男子バスケ部カントク。相田リコです。よろしく!!」

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その自己紹介に驚く新入生。

そしてリコは次の言葉を続けた。

「・・・じゃあまずは、シャツを脱げ!!」

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新入生全員のシャツを脱がせ上半身ハダカにしたリコは、全員の体を見て次々とアドバイスをする。

「キミ、ちょっと瞬発力弱いね。バスケやるならもうちょいほしいな」

「キミは体カタイ。風呂あがりに柔軟して!」

驚く新入生の面々に主将の日向が説明する。

「彼女の父親はスポーツトレーナーなんだよ。データをとってトレーニングメニューを作る。毎日その仕事場で肉体とデータを見続けている内についた特技。体格を見れば彼女の眼には身体能力が全て数値で見える」

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リコは火神の体に目を止めた。

『何これ!?全ての数値がズバ抜けてる・・・こんなの高一男子の数値じゃない!!・・・・天賦の才能!!』

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「カントク!いつまでボーっとしてんだよ!」

火神の体に見とれるリコに、日向が声を掛けた。

「ごめんっっ。でえっと・・・・」

全員見終わっただろう、と日向に促されるが、リコはあることを思い出した。

「・・・・黒子君てこの中いる?」

強豪、帝光中にいたはずなら視ればすぐわかると思っていたリコは黒子がいないのではないか?と感じていた。

黒子の名前を呼ぶが、返事も無い。

「今日は休みみたいね。いーよじゃあ練習始めよう!」

と、リコが練習を始めようとしたその時、目の前に一人の男子が突然現れた。

「あの・・・スミマセン。黒子はボクです」

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突然の出来事に、視線が合わないリコ。
他のメンバーも、いつから居たのか全くわからない様子だった。

ざわつく誠凛高校の選手達。
強豪、帝光中学校バスケ部の選手を目の前にして驚きを隠せない。

「まさかレギュラーじゃ・・・」

その言葉を受けて日向が黒子に尋ねる。

「それはねーだろ。ねえ黒子君」

「・・・?試合には出てましたけど・・・・」

その言葉に衝撃を受ける面々。
目の前にいる人物が、帝光中学校バスケ部レギュラーであることが全く信じられなかった。

「ちょっ・・シャツ脱いで!!」

リコは真実を確かめようと黒子の体を視たが・・・。

一方で火神はキセキの世代と帝光中のことを他の一年に尋ねていた。

練習終了後。
火神はファーストフードのマジバーガーでハンバーガーを山のように買っていた。
席に座り食べようとした瞬間、目の前に黒子がいることに気付く。

「ぐおっ!?どっから・・つか何やってんだよ?」

「いや、ボクが先に座ってたんですけど。人間観察してました」

黒子は冷静に答えた。

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『こんなのが日本一の・・!?・・つーか人間観察!?』

火神は黒子を目の前に、さっき他の一年生に聞いた話が未だ信じられなかった。

「それよりちょっとツラ貸せよ。これ食ってから」

学校からの帰り道、相田リコは考えていた。

『あれはどーゆーこと?彼は何者なの?能力値が低すぎる・・!!』

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リコが視た黒子の体は全ての能力が平均値以下。
とても強豪校でレギュラーを取れる資質では無かった。

しかし、黒子は帝光中学校バスケ部レギュラーであるという。
リコには、黒子が一体何者なのかわからずにいた。

対決

火神と黒子はストリートバスケのコートに居た。

「オマエ・・・一体何を隠してる?」

火神の質問の意図が黒子にはよくわからなかった。

「オレは中学二年までアメリカにいた。コッチ戻ってきてガクゼンとしたよ。レベル低すぎて。オレが求めてんのはお遊びのバスケじゃねー。もっと全力で血が沸騰するようなバスケがしてーんだ」

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日本のバスケレベルの低さにガクゼンとしていた火神だったが、キセキの世代のことを知り、そして目の前にいる黒子はそのキセキの世代であることを知った。

「オレもある程度は相手の強さはわかる。ヤル奴ってのは独特の匂いがすんだよ。がオマエはオカシイ。弱けりゃ弱いなりの匂いはするはずなのに、オマエは何も匂わねー。強さが無臭なんだ。確かめさせてくれよ。どんだけのもんか」

火神の言葉に黒子は少し考え答えた。

「・・・奇遇ですね。ボクもキミとやりたいと思っていたんです。1on1」

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火神と黒子の1on1が火蓋を切った。
しかし—-。火神は思った。

『—–しっ・・・・死ぬほど弱ええ!!!ドリブルもシュートも素人に毛が生えたようなもん・・・・取り柄もへったくれもねぇ。話になんねー!!!』

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火神は黒子に怒りをぶつける。

「ふざけんなよテメェ!!どう自分を過大評価したらオレに勝てると思ったんだオイ!」

それを聞いた黒子は意に介さない様子で答えた。

「まさか。火神君の方が強いに決まってるじゃないですか。火神君の強さを直に見たかったからです」

火神はそれを聞いて肩を落とした。

「あーもういいよ。弱ぇ奴に興味はねーよ。」

そして去り際に、黒子に言った。

「オマエバスケ辞めた方がいいよ。オマエにバスケの才能はねぇ。」

「それはいやです。まずボクバスケ好きなんで。それから見解の相違です。ボクは誰が強いとかどうでもいいです。ボクはキミとは違う。ボクは、影だ」

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火神の才能

雨の日の練習。
ロードワークを削った分練習時間が余った日向は、監督のリコに練習内容の相談をしていた。

リコは少し考え、一年生の実力を見るため5対5のミニゲームをすることにした。

誠凛高校バスケットボール部は新設校ながら、一年生だけで決勝リーグまで進んでいる強豪。
普通ではありえないほどの強さだった。

弱気を見せる一年生チームに火神が言った。

「ビビるとこじゃねー。相手は弱いより強いほうがいいに決まってんだろ!行くぞ!!」

ゲームが始まると火神はその才能を存分に発揮し、2年生チームを翻弄する。
その様子にはリコも驚きを隠せなかった。

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『想像以上だわ・・・あんな粗削りなセンスまかせのプレイでこの破壊力・・・!!』

しかし当事者である火神はイラついていた。
その原因は黒子のプレイにあった。

いとも簡単にボールを取られてしまう黒子を見て火神は思った。

『意味深なこと喋ってた割にクソの役にも立ちゃしねぇ・・・・!』

そして火神には3人のマークが付き、あっという間に2年チームとの点差は16点となってしまった。

勝てるわけがない、と弱気を見せる一年生チームのメンバーに火神がキレた。

「もういい・・ってなんだそれオイ!」

すかさず黒子が火神に膝カックンをしながらなだめる。

「落ち着いてください」

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そしてついに黒子の能力が発揮される。

黒子の才能

試合再開となり、黒子がチームメイトに声を掛けた。

「すいません。適当にパスもらえませんか」

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チームメイトは疑問に思いながら黒子にパスを出す。

『てかもらっても何が出来んだよ?せめてボールとられんなよ~』

—それは一瞬の出来事だった。

黒子のパスしたはずのボールは、いつのまにかゴール下にいた他のチームメイトのに手に渡っていた。
ボールを受けた方も一瞬戸惑うほどの出来事だった。

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周囲も騒然とする。

「今どーやってパス通った!?わかんねぇ見逃した!!」

その後も黒子は、いつの間にかパスを通すプレイを続ける。
何がどうなっているのか誰もわからずにいた。

それを見ていたリコは考えた。

『存在感のなさを利用してパスの中継役に!?しかもボールに触っている時間が極端に短い!!」

ミスディレクション

黒子はミスディレクションという手法を使って、自分の存在を消していた。
ミスディレクションとは、自分以外に注目を向ける誘導方法のこと。
マジシャンなどが使う手法でもあった。

黒子は試合中、自分以外を見るように仕向けていた。
これが黒子の能力だった。

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リコはある噂を思い出していた。

『元帝光中のレギュラーでパス回しに特化した見えない選手・・・!!噂は知ってたけど実在するなんて・・・・!!【キセキの世代】幻のシックスマン!!』

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見る見る間に点差を詰める一年生チーム。
ついに一点差に迫った時、黒子がパスカットから反撃に出た。

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逆転のレイアップシュートを打つ黒子。
しかしそのシュートは外れてしまう。

そのボールを火神が空中でとらえ、そのままダンクを決める。

「だから弱ぇ奴はムカツクんだよ。ちゃんと決めろタコ!!!」

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勝負は一年生チームの勝利で終わった。

日本一

試合後のハンバーガーショップ。
またも、火神は黒子の存在に気づかず一緒に座ってしまった。

火神は黒子にハンバーガーを一個渡しながら言った。

「ホラよ。一個やる。バスケ弱い奴に興味はねーが、オマエのことそれ一個分くらいは認めてやる。」

「・・・・どうも」

ハンバーガーを手に黒子が答えた。

帰り道で、火神が黒子に尋ねる。

「キセキの世代ってのはどんぐらい強えーんだよ?オレが今やったらどうなる?」

黒子はシェイクを片手に答える。

「・・・・瞬殺されます」

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そして続けた。

「ただでさえ天才の5人が、今年それぞれ違う強豪校に進学しました。まず間違いなくその中のどこかが頂点に立ちます」

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それを聞いた火神が笑いながら言った。

「・・・ハッハハハ。いいね火ィつくぜそーゆーの。・・・決めた!そいつら全員ぶっ倒して日本一になってやる!」

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黒子がシェイクを飲みながら答えた。

「ムリだと思います。潜在能力だけならわかりません。でも今の完成度では彼らの足元にも及ばない。一人ではムリです」

そして、笑みを浮かべながら黒子が続けた。

「・・・ボクも決めました。ボクは影だ。でも、影は光が強いほど濃くなり、光の白さを際立たせる。光の影としてボクもキミを日本一にする」

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